吉田製麺店


 ぼくが逗子に引っ越してきた頃、逗子はラーメン不毛地帯だった。
 いわゆるラーメン屋が一軒、中華もある昔ながらのラーメン屋が一軒。確かそのぐらいだったはずだ。やがて JR 駅近くに一軒出来て、一度、帰宅時に寄った記憶がある。

 引っ越してくる前に住んでいた日吉には「らすた」という有名な店があって、酔って帰るときには必ずといっていいほどここで食べていた。その頃の日吉はラーメン激戦区といわれていて、まぁ大学のある街だからそれも当然のことかもしれないが、ラーメン店が正に軒を並べていた。
 さすがにそれと比べるつもりはなかったが、しかし引っ越してきた当初、ここでラーメンを楽しむことはできそうにないなと半ば諦めた覚えがある。そういえばラーメン食べに鎌倉へ足を延ばしたこともあったな。

 それがどうだろう、ぼくが雪の国から戻ってきた頃から、新しいラーメン屋ができはじめ、いまや激戦区といってもいいほどあちこちにある。メインストリートの銀座通りにはなんと三軒もラーメン屋があるほどだ。
 で、そんな逗子にまた新しいラーメン屋ができたと知ったのは先月の終わりだったろうか。新逗子の駅から踏切を渡り、逗子橋を過ぎたすぐ左側に吉田製麺店がある。訪れたのは一昨日のこと。
 見るからにこぢんまりとした店構えだ。中に入るとその店のサイズが嫌でも気になる。席は四席、背中合わせで立って食べるスペースがある。

 券売機で注文するスタイル。選んだのは豚骨醤油。まずは一番シンプルなものを頼むのは、きっとぼくがぢんさん、心屋仁之助がいうところの「前者」だからだろう。自身の Podcasts で話をしていたが、前者は「損したくない」という思いがベースにあるらしい。確かにそうかもしれないな。
 この他に豚骨塩と期間限定がある。この日は「ジェノベーゼ」味のラーメンがあったようだ。ちょっと想像がつかないけど、どんな味なんだろうね。

 ちょっと癖のある豚骨。こってりとしたコクがある。麺はたぶん自家製なんだろうな、ちょっと堅めに茹でてもらったが、スープに馴染んで美味しくいただけた。写真見てもらえるとわかるけどチャーシューがまるでベーコンみたいな形をしていて特徴的。でもこれはこれで全体のバランスはとれてるのかな。
 スープに馴染むと足繁く通うことにもなりそうな気がする。

 それにしてもいつ頃からだろう、逗子の街が少しずつ変わりつつある。新しいカフェができたり、立ち呑み屋が増えたりしているのだ。引っ越してきた当初は、これから寂れちゃうのかなって、シャッター街を眺めてちょっと淋しく思ったけど、いやいやどうしてなかなか活気のある街になってる。
 そんな街の元気をもらいながら、あちこちでいろいろな味を楽しんだりできるって、ちょっと素敵だよね。
 さてと、博多ラーメンの店もできたらしいんだよな。いつ行こうかな。

コメントを残す