それはただの cheap-trick なんだろうか ? 第十五話「蟲」その 3 を NOTE 公開


    ものがたり屋の松谷高明です。
    第十五話の完結編、その 3 をNOTE で公開しました。
    どうしてこうなっていくのか、ちょっと作者本人にもよく解っていないんですが、以前にぼくが書いたような捻りなんてものはまったく入り込む余地のないような作品になりました。
    いままではこれは何度も書いているんですが、起承転結とか、序破急とかなんだっていいんですが、ともかく最初にふろしきをば〜っと勢いよく広げておいて、最後はそれをきちんと畳んでみせるということを意識していました。
    それが怪しくなってきたのは、じつは第十三話あたりなのかな。それまではどうやって捻りを入れるのかそれを悩んでいたんですね。よくわかるのが第十話の「濤」あたりからかな。どこまで書いて、どこを書かずに読者の想像に委ねるかなんてことをあれこれ考えていたんです。それがかなり苦しくなったのか、それともその書き方に飽きたのか、その過渡期が第十三話の「巫」だったのかなと思ってます。
    破綻したのはつぎの第十四話の「朏」ですよね。おちもなにもあったものじゃなくて、もうただばらばらなシーンを、それも意図的に時間軸とかを入り乱れる形でぶちこんで、そのまま突き放して終わってしまいました。
    今度の「蟲」もそれに近いかな。いや、もっと意識してそれをしたといった方がいいのか。しかも、現実とは遊離した話になっちゃいました。これも意識してなんですけどね。だって小説世界はあくまでも小説世界で、現実世界とは違うんです。書いているぼくがそのすべてを統べることができる世界なんです。そこでどこまでリアリティをもって、しかし非現実的な世界へと誘うのか。そんなことをすこしずつ意識しはじめた作品だといえます。

    ちなみにつぎの第十六話のタイトルは「蜉」です。冒頭の怪しいシーンだけは頭にあるんですが、これがどんな物語として紡いでいけるのか、いまからぼく自身も楽しみです。
    ということで「蟲」がどんな作品として完結したのか、ぜひご一読をお願いします。いつものように、NOTE で公開しています。よろしくお願いしますね。

    うっかり閉め忘れた襖の影、街灯の届かないひっそりとした暗がり、朽ちかけている家の裏庭、築地塀に空いた穴の奥。
    気づかなかった身のまわりにある、隙間のような闇に、もしかしたらなにかが潜んでいるかもしれない……。

    蛹の中にいることなど意識することもできず、まるで午睡に落ちる前の微睡みのような温もりの中でさながら幻夢を見ているようなそんな愛生だった。一方、愛生の部屋で大きな蛹を見てしまった麻美と結人。しかし、だからといってなにかすることもできず、ただ愛生のことを心配することしかできなかった。
    やがて愛生は朝の光を浴びながら蛹を脱ぎ捨ていることになった。そして……。
    ぜひ、お楽しみに。

    せっかくだから、読んだら「スキ」をしてくれると嬉しいです。
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    無料での公開なので、ぜひ協力お願いします。

「ものがたり屋 参 蟲」その 3
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