そもそも武士ってなんだろう なぜ武士が生まれたのか


    戦国時代はどんな時代だったのかと考えると、やはり根本的に認識しておかなければいけない重要なことが「武士」ってなんだろうということになる。
    刀を腰に差していれば武士というわけではないはずだ。ということで、そもそもどうやって「武士」が誕生したのかをちょっとぼくなりに考えてみたい。あくまでも素人考えなのでその点はあらかじめご了承のほどを。

    日本が国として成り立ったときに国防はどうしたのだろう。まずはそこから考えてみよう。
    そもそも律令制では税の一部として簡単にいうと成人男性三人に一人が兵士として徴用されていた。その兵力が軍事組織として各地に軍団として配備されていた。この制度を変えたのが桓武天皇だ。平安時代だね。健児制といって一般から徴用するのではなく、郡司の子弟や百姓のうち、武芸に秀でたものを選抜することになった。つまり一般人が兵役につく必要はなくなった。
    要するに武芸に専門性が生じるというわけだね。

    では平安時代の征夷大将軍として有名な坂上田村麻呂は武士なのかというと、これは武人ではあっても武士とはいわれていない。軍を指揮する武官ではあっても武士ではないということだね。つまり武芸と関わっていたからといって、では武士なのかというと違うといのが定説だ。
    じゃ、武士ってなに ? ということになるけど、この時代がどういう時代だったかということを考える必要がある。というのもこの時期だが、朝廷は厳密にいうと軍事力を放棄していた。これは神道のなせる技だ。皇室も公家も「血」の穢れとはいっさい関わらないということがなによりも大切なことだったからだ。いや〜、日本って面白い国だよね。
    ではどうしたかというと、武芸に優れた家に外注することになった。この家のものが「武士」として扱われることになった。検非違使だね。これはおもに京都の治安維持などを担当していた。

    それとは別に内裏の警護をする武士もいた。滝口武者といわれている。弓箭を帯びて宮中に出入りすることが許されたので朝廷公認の「武士」ということになったわけだ。平将門もこの滝口武者だ。
    つまりこの頃には「武士」という存在が公に認められていたということだね。

    さてこの時代でもうひとつ考えておかなければいけないことがある。律令制では公地公民が原則だった。これを骨抜きにしたのが墾田永年私財法だ。これは奈良時代だけどこれが荘園のはじまりになる。要するに私有地が認められたわけだ。
    さらに不輸の権が認められた荘園が拡大しはじめて、いわゆる私有地は大きな権益となる。そうなるとその地を守る力が必要になる。もちろん武力でということになる。だから多くの荘園を保有している寺社は多くの僧兵養うことになる。
    こういった武力集団もいわゆる「武士」を支える武力として拡大していったのだろう。

    厳密な意味では「武士」は朝廷に認められた家のものということになるが、これらは地方の名士でもあるわけで、その家の元に郎党が集まって、武家の集団があちこちに発生したのだろう。
    基本的には守るものがなければ武力は必要ない。つまり私有地とそれにまつわる権益を守るために武力が必要になり、朝廷公認の「武士」が誕生したことにより、武力が統合されていったといえる。
    面白いのは、武力集団が武家を誕生させたのではなく、武家が郎党を集めたという点だ。下から上へではなく上から下へということだね。だから武家を束ねる家として「源氏」と「平氏」というまとまりに意味があったわけだ。なにせ両氏とも臣籍降下した家だからね。つまりその血を辿っていくと皇室に繋がっているということになる。
    ということで平安時代の後半には「武士」が力を持つようになったわけだ。

    平氏が勢力を拡大するきっかけとなった北面武士は、院御所を警護する役割を担った存在だ。
    そうそうこの時代が鎌倉時代へと以降したきっかけのひとつとしては院の権勢が高まったということもある。白河上皇だ。面白いのは前にも書いたけど朝廷や公家が実際に軍事力を持つのではなく、「武士」に外注したことが、やがて武家政権の成立の原因にもなっている。

    つまりは神道という宗教がこの日本の歴史にとても大きな影響を来しているといってもいいかな。そもそも武士を産み出したのも、この神道が影響しているわけだからね。
    歴史と宗教ってのは切っても切れない関係があるのだ。

「そもそも武士ってなんだろう なぜ武士が生まれたのか」への2件のフィードバック

  1. […]     武士が生まれた過程について、前につらつら考えてみたわけだが、それではその武士がいつ独自の政権を樹立したのかというと、どうやら世間的には平氏政権からとい […]

  2. […] についてつらつら考えるってことは、相変わらず続けている。     武士の成立からはじめて、前回は「平家」と「源氏」についてちょっと書いたんだけど、今回は武士の政 […]

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