経済で読み解く日本史 2 安土桃山時代 貨幣と石高の矛盾のはじまり 読書メモ


    今年の 6 冊目。上念 司 著「経済で読み解く日本史 2 安土桃山時代」読了。

    前回、読了した「経済で読み解く日本史 1 室町・戦国時代」の続きだ。このシリーズを集中して読了する予定でいる。
    前回は室町時代から織田信長が台頭してきた時代までだったが、今回は織豊時代に焦点が当てられている。ざっくりとした流れていうと、日本がほんとうの意味で統一された時代といういい方もできる。もちろんそれまで朝廷があって、さらに幕府が成立して、統一されたことになってはいるけど、真の意味で日本の統一を完成させたのは豊臣秀吉だ。

    支配下に入った国を城割し、検地し、さらに刀狩りしている。城割で不要な戦力拠点を潰していき、刀狩りで兵農分離を促している。それまではいったいだれが兵として立ち向かってくるのか判らなかったからだ。とくにゲリラ戦を仕掛けられるのが一番厄介である。まぁ、それはまた別問題か。
    検地というやつがポイントで、これにより土地に根付くという意識を武士から取り去っているのだ。これは織田信長がはじめたことなんだけど、そういう意味でも彼には日本を統一するというグランドデザインが頭にあったとぼくは思う。
    これでそれぞれの国の石高が統一されて基準で明らかにされたわけで、たとえば十万石は日本全国どこの国でも十万石なわけで、配下の武将を石高に合わせて移動させることができるし、移動させられた方も文句はいえなくなる。

さて、中国の銅銭に頼っていた貨幣だが、大きな変化が起きる。銀貨だ。
明では銀貨が鋳造されるようになり、世界中に流通するようになる。この銀なんだが、日本が世界二大産出地のひとつだったんだよね。そんなことはじめて知ったわ。

    ということで、この時代から通貨として銀貨・金貨が使われるとようになったわけだ。しかし、日本国内ではきちんと統一がされず、さらに現物としての米が貨幣として代替される慣習も引き継がれ、そういう意味では経済的な整合性の整った時代ではなかったということだね。
    そういう意味でも、経済が持つ意味はとても大きいということだ。

    さて、日本を統一した秀吉が次に向かったのが「唐入り」だった。
    これが当時の世界情勢を鑑みてどうだったのかということについて、この本は言及している。ポルトガルとスペインが世界を席巻している時代でもあり、この両国は明らかに日本の武力を意識していたらしい。
    ということは、もうすでに世界は国際化していたのである。そんなこと教科書のどこにも書いてないけどね。ぼく自身もまったくそんな意識は持っていなかった。

    東南アジアはイエスズ会をはじめとするキリスト教の布教と同時に両国が植民地化を進めている時代でもあった。
    この時代に日本を統一が終わっていなければ、どんなことになっていたか。できたら考えたくないけどね。なにしろキリシタン大名たちが日本人を奴隷として海外に売っていたらしいからなぁ。もちろんバックにはイエスズ会があるんだけどね。
    酷い話だ。

    なんてことを書いていたら長くなってしまうな。
    このときに秀吉が目指すのは海洋国としての日本のはずだったんだが、残念ながら、日本を統一した陸戦の武力しか意識できず、半島経由で明を目指してしまったわけだ。

    ということで、いままでにぼくが習ってきた日本史とは違う視点で歴史を見直すことができるとてもいい一冊であるということね。
    さて、つぎは江戸時代だな。


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