インターステラー クリストファー・ノーラン監督 2014 年公開



「インターステラー」クリストファー・ノーラン監督の有人惑星間飛行の物語だ。
 と書いてしまうと身も蓋もないな。もっともっと深い物語でもある。
 ただの SF 映画ではなく、描いているのは苦悩する人間でもあるし、人類の物語でもある。
 あまり詳しく書くとネタバレになるので、そのあたりはあまり書かないでおこう。

 じつはここ最近というか、ここ半年ぐらいかな、映画をちょくちょく真剣に観るようになっている。
 映画館ではなくもっぱら Hulu でなんだが、自分のペースで観られるのでこの方がぼく的にはよろしい。映画館で圧倒されるように観賞するのもいいんだろうが、独りものだし、暗がりでひとりっきりよりは、ワインでも呑みながら寛いで観られる方がいい。
 とはいえ、これは抗癌剤投与を受けながら病院のベッドの上で観たんだけどね。

 クリストファー・ノーランは物語を端折るよりはていねいに重ねて描写していくスタイルのようだ。そのためか長尺の映画になりがちだ。って、バットマンシリーズしか知らないので、もしかしたら違うかもしれないけど、この映画も 2 時間 50 分という長さだ。
 けれど観終わってもその長さを感じることはなかった。
 必要なシーンを重ねた結果の長さだからだろう。

 冒頭から続く地球の姿がていねいに描かれているのでとてもリアルな世界に感じられる。ここから物語はスタートしているので、その後の展開にもすんなりとついていけた。
 NASA が秘密裏に進めている陣婦負の新天地を求める惑星間飛行についてもそのためにとてもリアルなものとして描かれている。
 ストーリーを支えている科学的な検証がきちんとされているから余計に説得力があるんだろうね。
 船内の重力にしてもしかり、ワームホールやブラックホールについてもそうだけど、しっかりとした理論に基づいているので、安心して観ていられる。

 訪れる星でのドラマにはいろいろな意味合いが含まれていて、単に科学的な話ではなく、もっと人間くさいドラマにもなっている。
 このあたりは観る人の感情をどこまで引きずり込めるかという勝負所でもあるかな。
 最後に浦島効果の結果、ほろりとさせられるところもあって、そういう意味では人間ドラマなんだよね、やっぱり。

 気になるところがないわけでもない。
 ブラックホールの中での映像とか、あとは登場するロボットの形状とか、個人的にはちょっとなぁとは思うけど、そんなところを差し引いてもおもしろい映画であった。

 科学的な部分をフォローするために、脚本を担当したジョナサン・ノーランは四年間も大学に通って相対性理論を学んだそうだ。
 なんという時間を掛けてていねいに作られていることか。

 しかし、クリストファー・ノーランって、すごい監督だね。
 監督で観るべき作品を選んでもいいひとりだね。ぼくはそう思うよ。

コメントを残す