オストメイトの憂鬱 ストーマパウチの話 ぼくも癌でした

 人工肛門、ストーマを造設してぼくはオストメイトになった。
 中には一時的な措置としてストーマを造設する人もいるらしいが、ぼくの場合は一生、これと付きあっていくことになっている。切除した腸を繋ぎ治すことができないからだ。まぁ、それはそれで適切な処置だったはずなのできちんと割り切っているつもりだ。
 ぼくはこの先、オストメイトとして生きていく。

 そんなぼくが常に身体に装着しなければいけないものにストーマパウチがある。
 簡単にいうと排泄物を溜めておくためのものだね。
 前にも書いたけれどストーマには神経などはいっさいないために排泄をコントロールするということが一切できない。このぼくの臍の左側に造設されたストーマからはガスや排泄物が出ていく。しかも、それは勝手に突然出る。
 仕事中だろうが、食事中だろうが、電車で移動中だろうが、あるいは布団に潜り込んで寝ているときですらそうだ。
 いってしまえば垂れ流しだ。
 だからこそ、このパウチで受けとめて、溜めておく必要がある。そしてある程度溜まったらそれを処理しなければいけない。
 普通の人なら直腸とか肛門がやっていることを、ぼくは意識して自力でやらなければいけないわけだ。そういう意味では人体はなんと偉大な機能を有していることか。トイレで排泄できるということがどれほど素晴らしいことか、それをできなくなってしまったぼくは痛切に感じている。いや、マジだよ。

 さてと、そんなぼくが使っているストーマパウチが写真に写っているものだ。
 Coloplast という会社の SenSura Mio 1 というやつだ。
 ぼくのストーマの直径がだいたい 35mm なので、そのサイズのプレカットのものを使っている。いちいちサイズを合わせて穴をカットするのは結構面倒な作業だ。
 そういう意味ではその手間が省けているだけでもラッキーといえるのかもしれない。

 入院中に二三種類のものを試して、これを使うことに決めた。
 排泄物を受けとめるという機能はどのパウチも同じだが、このパウチは他のものに比べて防臭効果が高かった。
 家でただひとりじっとして過ごすならそんな「匂い」などすぐに慣れるかもしれない。けれど外に出て、人に会ったり、仕事をしたりすることを考えると「匂い」は大いなる問題となる。

 カットされた部分を自分のストーマにきちんと合わせて肌に直接貼って使う。
 構造としてとても簡単だ。排泄物は重力に従って下に溜まるし、ガスはガス抜きの部分から抜けていくことになる。
 ストーマを使っていて問題になるのは、じつはこのカットされた穴とストーマの間に若干だが隙間ができることにある。あたり前だが、たとえサイズを合わせてカットしたとしてもピッタリと一致させて一切隙間ができないようにすることはできない。やむを得ないことではあるのだ。
 けれど問題はこの「隙間」。

 普段、立っていたり、あるいは座っていてもいいけど、この穴の隙間に排泄物が入り込むことはほとんどあり得ない。だって排泄物は重力に従って下に落ちるからだ。
 ということは ?
 そう、ということは寝ている間はどうなるのかということなのだ。
 仰向けになって横たわったとして、そのまま目が醒めるまで身じろぎもせずに姿勢を変えない人がいるだろうか ?
 そう、人は寝返りをうつのである。

 寝ている間、パウチの中が空っぽに近ければまったく問題はない。好きなだけ寝返りをうてばいい。なんならうつ伏せのまま寝ていたっていい。パウチを圧迫しようがなにしようが排泄物がなければ大丈夫だ。
 ところがこれが満タンとはいわないけれど、それなりの量の排泄物が溜まっていたらどうなるのだろう ?

 そう姿勢によってはパウチを圧迫し、押された中味がはみ出ようとすることすらある。
 これがいまのぼくの喫緊の課題でもあるのだ。
 このところどうも寝ている間にかなりの量の排泄物が出ているようで、しかもこれが寝返りをきっかけに「隙間」に侵入して、ときには接着面からはみ出そうとすることすらある。
 というか昨日の夜中、危うく排泄物が漏れ出そうになってしまったのであった。
 マジでこれだけは頭が痛いんだよな。

 こんな相談、だれも真剣に聞いてくれないよね。やれやれ。
 でもお陰で今朝は憂鬱な朝だったことは確かだ。
 じつはこの話には続きがある。それはまた別の機会に。

「オストメイトの憂鬱 ストーマパウチの話 ぼくも癌でした」への2件のフィードバック

  1. […]  以前にも書いたことがあったけど、しかしここまでしっかりと、明らかにうんこまみれになったのははじめてだった。固めのうんこがストーマパウチに収まりきらずに接着面を押し上げて、隙間を作り、そこからはみ出していた。  そりゃ、臭いわ。 […]

  2. […]  とりあえずぼくが選んだのは Coloplast という会社の SenSura Mio 1 というやつだ。  以前にも blog に記事を書いているので、もし興味があれば読んでもらいたい。って、ストーマパウチに興味がある人なんて、きっといないと思うけど、念のためね。  とくに不満はなく使っていたんだけど、これまた記事を書いたと思うけど、夜中にパウチから漏れてしまってうんこまみれになったり、そこまではいかなくても危うく漏れそうになったりということを、この三ヶ月半に何度も経験してしまっている。  こんな経験なんてしなくていいことだとは思うんだけどね。まぁ、それはそれで仕方ないか。 […]

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