穏やかなオンショア

 昨日はいきなり夏に戻ったような天気だった。気温もそうだし、陽の輝きも夏そのもの。
 今年の夏は曇りがちに陽が多く、天気が崩れることもしばしばで夏らしい青空を満喫できる日が少なかったように思う。気がついたらお盆も過ぎ、あと一週間ちょっで海水浴のシーズンも終わってしまう。
 ぼくたち、マリンスポーツを楽しむものたちにとっては海水浴シーズンが終わり、区切りのために張られたロープが取り去られたら海開きとなるんだけどね。そんな日も近づいてきている。

 強烈な陽射しを浴びながら、この日の午後、ぼくは SUP を楽しんだ。穏やかなオンショアが吹いている。波もほとんどなくクルージング日和といっていいだろう。のんびりとパドルを漕ぎながら逗子の海を楽しむ。あまりの暑さに何度か海に浸かったけど、まさに堪能という言葉ふさわしい感じだ。心の底から海を楽しんだ。

 ぼくがはじめて SUP というマリンスポーツを知ったのは逗子に引っ越したときだ。2010 年に引っ越しをしているから、七年前ということになるのかな。出会ったのはかなり早い時期といえるだろう。
 GW のはじまる頃に引っ越しをしたんだけど、荷物の整理が終わって、海を眺めにいったときのことだ。レジャーシートを広げてゴロリと横になり海をぼんやりと眺めていたら、海面に立っている人がいるではないか。見たこともない景色に一瞬たじろいだけど、よくよく見たら、ボードの上に人が立っていることがわかった。
 海での遊びなんてまったくいっていいほど知らないので、その日家に帰るなりあれこれググってそれがスタンドアップパドルサーフィンだということを知った。
 ボードとパドル。それだけで遊べてしまう。
 せっかく海のある街に引っ越したんだからなにか楽しみをと考えていたぼくは俄然興味を持つことになる。ウインドでもよかったのかもしれないけど、それこそ道具がいろいろで道具がそれだけ多いとなるときっと手入れなんかも大変だろうなということで、ものぐさなぼくにはこのシンプルさが丁度よく思えたのだ。

 その年の海水浴シーズンが終わる頃、ぼくは Oceans というスクールにいき、そこで SUP をはじめることになる。最初にぼくに SUP を教えてくれた人はいまは葉山でスクールをやっているけど、基本的なことはすべてこの人から教わったとぼくは勝手に思い込んでいる。ちょっとスパルタなところがあって、はじめて間もないのに、いきなり名島までいかされたこともあったっけ。
 そのまま SUP を続けることが出来ていればよかったのだが、仕事のこととか、家庭のこととかいろいろとあって、その年の秋以降ボードに乗って海へ出ることはなくなってしまった。

 再開したのは雪の国から戻ってきてからだ。
 だから本格的にはじめたのは三年ほど前ということになる。海へ出たくて、ただその想いだけで戻ってきたといってもいいかもしれない。
 それからは中断することもなく続けている。

 ここにきて SUP は注目されているようで、逗子でも夏はサッパーだらけといった様相を呈している。SUP ヨガとかも流行っているのかな。よく見かけるようになった。
 道具の進化も凄くて、ぼくがはじめてやった頃とは格段の差がある。
 ボードのサイズ自体はそんなに変わってはいないのだろうが、どんどん短いボードが登場してきている。あとはレース艇だね。むかしはそんなに種類はなかったよな。
 もちろんぼくが乗っているボードも変わった。いま乗っているのは Bill Foote の 8’10” だ。
 SUP をはじめた頃、試乗会で何度かこのボードにチャレンジしたことがあった。けれどその頃は立つことすらできなかった。サイズもサイズだけど、なによりも浮力がそんなになくて、バランスがまったく取れなかったのだ。それがいまは一番しっくりくるボードになっている。
 こいつで波に乗るとこれがまた素晴らしい。ノーズが綺麗に波をくぐってくれる。ちょっと大きな板ならパーリングしているところだけど、サッと水を切って進んでくれる。
 ちょっと間が開いてしまったけど、しかしぼくは素晴らしいスポーツと出逢えたと感謝している。
 てきたらヨボヨボの爺になってもボードの上に立ち、ちいさな波でいいからサーフィンを楽しみたいと思っている。いや、もうそういう老後を願っているのだ。

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